その車に、たくさんの女の子たちが、

群がってきた。


「もしかして、アイドルかな?」

良美は、私の手を引いて、

どんどん車の方に連れて行く。


「もういいでしょ?かえろう・・わっ!」


・・・

小さい私は、女子の集団に、

押し倒されて、

車の前に・・・


「イタタタ・・・」

私は、膝を擦りむいて血が滲んでいた。

・・・おっと、いけない。

車に気付いた私は、

急いでのこうとした。


・・・パタン。

車の後部座席から、

一人の男の子が。


…あれは。

女の子たちの黄色い声。

呆然とする私。