キュキュッ 体育館の床にシューズが擦れる音が響いてくる。 やっぱり帰ろうかな。 私は入り口のドアにかけていた手をおろして 体育館に背を向けた。 「帰んの?」 「わっ、あ、や、えと…」 突然話しかけられても、私は上手く答えられない。 「見学しに来たんでしょ?入りなよ。」 その先輩は返事も聞かずに背中をグイッと押して 私を体育館に押し込んだ。