愛しい人~出逢いと道標~

「何でだよ」


必死だった。


「何でだよ。

何で辞めるんだよ」


こんなに必死になっても、彼が仕事を辞めるという事実が覆ることはないと分かっていても、何かに必死だった。



もしかしたら、私は理由を知っているのかもしれない。

その理由を知ったら、私は立ち直れないかもしれない。

必死になればなるほど、私は自分自身を辛く痛めつけることになるかもしれないのに、それでも必死になっていた。


「もしかして・・・」


核心に触れる言葉が口から出ようとする。

自分自身を辛く痛めつけるためではない。


「・・・」


白黒はっきりさせるために。