愛しい人~出逢いと道標~

見慣れない街並みは、車窓からまるで映画のように私の頭の中に入ってはすぐに消えていった。

私の住んでいるところと違って、県庁所在地ということもあり建物が多く、道路を走っている車も比べ物にならない。


「とりあえず八号線沿いのコンビニに入ろうか。

そうすれば長距離トラックが停まっているだろうし、その運転手に声掛けていけばすぐに見つかるだろ」


人が多いところが苦手な私にとっては、あそこで育ってきたのが一番だったのだろう。

こういうところには住みたくもなければ、あまり来たいとも思わない。

恐らく、私が求めているものはこういう街のところには存在しないだろうな・・・


「おい、人の話を聞いてるのか」


ちょっとだけ口調が強くなった。

それでもその言葉には優しさがあり、私に対する想いが詰まっていることが伝わってくるから強くても怯えたりはしない。


「ごめん、ちょっと考え事してた」


そう返して、再び街並みを眺め、やはりここには無さそうだとため息をついた。