愛しい人~出逢いと道標~

「何かあったのか」


少し離れて先を歩こうとする私に、入瀬は心配そうに声を掛けてきた。

その言葉に立ち止まり、下を向き軽く歯を食いしばり、自分自身の迷いと甘えのようなものを断ち切ろうとした。


「お前がトラックで行ってから、色々と考えちゃった。

あんまりにもお前が優しいから、最後までお前が私を連れていってくれればいいのに・・・

これ以上優しくされると私は何も見つけていないのに、この旅を終わらせてしまうんじゃないか・・・

他にもそんなことばかり考えてた」


「・・・」


入瀬の表情はさきほどの声とは裏腹に、心配そうというよりは無表情に近い表情だった。

こんなことを言われて、どう思うだろう。

折角、ここまで乗せてきたのに、こんなことを言われて・・・