愛しい人~出逢いと道標~

「別に」


唇をきゅっと結び、下を向くだけの私・・・


「話したくないことは無理して話さなくていいし、それを聞き出す権利なんて俺にはないから」


「・・・」


「まあ、大方予想はついているけど」


そう言うと、店の駐車場にトラックを止めて降りる準備を始めた。

私もシートベルトを外し、助手席のドアノブに手を掛けた。



どうして・・・



どうして、初対面の人の目の前なのに、こんなに涙が出そうになるのだろう。

別に慰められたわけでも、励まされたわけでもない。

それでもこの人の一言は、胸の中に染み込んで私の心を動かしていく。