琴音に逢えた

逢えたんだ

言葉じゃとても足りない
思いがこみ上げる

「琴音に逢えて本当に嬉しいんだ
 あの時本当に元気をもらえた」

ありがとう、

琴音は下を向いて無言だったけど
顔を上げてにっこり笑う

すると僕の左耳から補聴器をすっと外した

左耳にこそこそと何かを話し出す

「琴音そっちの耳は「いいの」

「まだ陽には秘密だからね」

わざと?
僕のいうことを遮ってごにょごにょと続ける

「大好き」

最後の一言
はっきり聞こえた、のは気のせいかな

「ありがとう、琴音 僕も大好きだよ」