そろそろ帰るかな

ちょっとだけ期待している自分はいない
事にして

大丈夫
昨日までの生活に戻るだけだから

そう自分に言い聞かせながら
立ち上がってズボンをはたく

激しい息遣いが聞こえた気がして振り返る

ぼすっ

何かが勢いよくぶつかったのと同時に
ぶつかってきたものを見て一気に二重の衝撃が走る

「琴音・・・」

琴音は泣きながら僕にしがみつくようにして
抱きついていて

「陽!はるっ・・・」