「沙良ーーー!」

そんなときに人影が見えた

どんな音楽よりも
暖かくて優しくて

こんなもの無くたってしっかり届く

琴音の声

沙良は琴音の妹だった
その時すぐに全てがつながった

沙良は琴音に飛びつくと
陽が助けてくれたんだよーと僕を指差した

「あ!ありがとうございました」

どうやら僕のことを覚えてないらしい
あのバカでちっさい琴音だ
仕方がない

琴音が覚えてないなんて
想定内だったじゃないか

こんなにも落胆している自分がいたなんて