「お兄ちゃん?」

動揺している僕をみて自分のせいだと思ったのか
潤んだ瞳で不安げに尋ねる女の子

「ううん。僕は大丈夫。君はどうしたの?」

「お姉ちゃんがいないの。」

その女の子は姉とはぐれてしまうまでを
ちょっと舌たらずの小さな口で一生懸命話してくれた

お兄ちゃん名前は?と突然聞かれて
焦ったもののしっかり答えた

女の子は沙良というらしい