「芽留!おきないと遅刻するわよ!」
「・・へ?」
「もうお母さん知らないからね!」
「う、うわあぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!」
私、神崎芽留。おてんばでバカ。遅刻魔です・・・。
「今日入学式じゃん!!私在校生だから迎えなきゃなのに!!」
私の学校はエスカレーター式で、私も今年高校1年。
でも、外部入学の人を歓迎しなければいけないのだ。
「全く。知らないっていったからね。」
「そんなこと言わないで、ママ助けてよぉ・・・。」
私のママは美容師。だから髪アレとかは全部任せてるの。
「全く。仕方ないわね。」
10分程度で、綺麗な編みこみが完成した。
「ありがとう!じゃあいってくる!」
まだ5分ほど余裕がある!
「お、今日は早いんだ。」
「あ、京!」
「おっす。」
コイツは、夏目京。私の幼馴染で、・・・・私の好きな人。
だけど京には・・・。
「あ、芽留~!京~!」
「おはよっ!麻那ちゃん。」
「おっす。」
この子は私の友達の佐伯麻那ちゃん。
可愛くて頭が良くて、とにかく完璧。
自慢の友達なんだけど・・・・。
私の好きな人。つまり京の彼女。
「麻那可愛い髪してんじゃん。ま、髪なら芽留のが可愛いけどな。」
「な、芽留は美容師さんがやってるじゃん!」
さりげなく私をほめてくれるとこもスキだったり。
でもそれが逆にあきらめられない理由になってるんだ。