翌朝。

これまた美味しそうな杉本さん作の朝食をいただき、車に乗せてもらって、山田さんの入院しているという病院に向かった。


「山田さん、杉本です。楓ちゃんと来ました。失礼しますね」

「し、失礼します」


ガラリと杉本さんが病室の戸を開き、一緒に中に入ると、中にはベッドに横たわった山田さんが、杉本さんをめちゃくちゃ睨んでいた。


「この私を差し置いて、初夜…!」

「変な言い方しないでください」

「楓ちゃん!変なことされてない?大丈夫?ごめんねーおばちゃんがこんな事になっちゃったせいで、いきなり男の人と二人っきりで不安だったでしょう?!ていうか年頃の女の子をこんな変態と二人っきりにした私がいけなかったわ!!もうほんとにごめんねえええ!!」

「あ、あの…」


マシンガントークでついていけなかった…!

山田さんは、うううっ、と泣くフリをしながら謝っていた。


「変態じゃありませんし、楓ちゃんには何もしてないですから…」


杉本さんは呆れながら宥めていた。


「そのわざとらしい敬語が気持ち悪いし!!楓ちゃんの前だからって、いい男ぶっちゃって!!」

「そんなんじゃないから!ったく、ちょっとは俺の立場も考えてくれよ」


さ……さっきから話についていけない。

杉本さんの口調がくだけたものになり、私はマヌケにも口を開けながら二人のやりとりを見つめていた。