「懐かしいな~。」

八ノ下公園は五年前より雑草が増え人がかなり減っていた。

雷竜は公園の中に入り近くにあったベンチに座った。

すると、雷竜が座っている前方に黒いフードを被った人が歩いてきていることに気がついた。

雷竜は別に気にする様子もなく、その人を見ていたが段々とその人は雷竜の方に近づいて来ていた。

その人は雷竜の目の前で足を止めた。

「あの~。どこかでお会いしたことありましたっけ。」

雷竜はなるべく丁寧な口調でたずねた。

すると、その人は笑顔(フードから口だけ見えていた)で「はい。」と答えた。

声のトーンは女の人の声だった。

「どこで会いました?」

「夢の中で。」

女の人は笑いながら言うとフードを取った。

女の人は長髪で、顔は小さく細くどこかのお嬢様のような雰囲気が出ていた。

そして、女の人が指をならすと、雷竜の頭上に大量の剣が浮いて現れた。

「お前あの夢の女か!!」

雷竜は二、三歩後ずさりをした。

しかし、剣もついてきた。

「女?女とは失礼な。私はジェリアと申します。以後お見知りを。」といい、
深々と頭を下げた。

「あ、これはどうもご丁寧に、、、。じゃなくて!何しに来たんだ!!」

雷竜も頭を下げそうになったが途中でやめた。

「何をしに来ましたかですって?もちろん、リングをもらいに来たんだよ。」

ジェリアは雷竜を凝視しながらいった。

「リング?だから持って、、、ね、ねえよ。」

最後の言葉はしりつぼみになっていた。

「やはり持っているのですね。それでは、、、。」

ジェリアは指をもう一度鳴らした。

すると、頭上の剣が消えた。

そして、剣が消えるのと同時に雷竜の目の前に一人の男が出てきた。