(龍星Side)
今日も『穂乃梨』のことを考えながら、駅のホームの階段を下りていた。
「……あの、すいません。」
『穂乃梨』の声が聞こえた。
まさかと思って、振り返ると、『穂乃梨』が立っていた。
俺の、頭は真っ白だった。
『穂乃梨』が何かを言っているみたいだった。
でも、『穂乃梨』に呼び止められて、テンションが上がって思考回路が停止した俺は、何も考えることができなかった。
すると、『穂乃梨』はさみしそうな顔をして、行ってしまった。
なんて言ってたんだろう?
そうしたら、近くにいた友達の関口昂平(せきぐちこうへい)が、
「良かったのかよ!?」
と言ってきた。
俺は、何のことか分かっていなかったから、昂平に聞いた。
「なんのこと?」
「はぁ?お前さっき〇〇駅から乗ってくる可愛い子にメアド聞かれてただろ?」
「……へぇ?」
「…へぇ?って、お前聞いてなかったのかよ?」
「………」
「やっちまったな~、お前。好きだったんだろ?」
「なんで知ってんの?」
「お前の眼、いっつもあの子のこと見てたから。」
「……どうしよう~昂平ぇ~」
「今からじゃもう遅いから、明日お前から、メアド聞け!
それで、その勢いで告っちゃえっ!」
「……無理っ!」
「はぁ?あの子は勇気出してお前にメアド教えてって言ったんだろ?
だったら、お前も勇気出して、メアド聞けよ!
お前が言わないんだったら、俺が言っちゃうよ~。
知ってると思うけど、あの子けっこう人気あるんだぞ~。
お前がうじうじしてる間に彼氏できちゃうかもよ。」
絶対ヤダっ!
『穂乃梨』の隣は誰にもやらんっ!
↑親父みたい(笑)
「…分かった。明日、聞く!そして、告る!」
俺は、半ば強引(?)に明日『穂乃梨』に告ると決めた。