(穂乃梨Side)


いよいよ、この日がやってきた。

今日は、メアドを聞く日。

昨日は、心の準備がなかなかできなくて、眠れなかった。

小学生が遠足に行く前日の夜ってかんじだった(笑)


ドラゴンボーイとは、学校が違うため、あと2駅したらドラゴンボーイは電車を降りてしまう。

でも、2駅後は、終点なんだ。

だから、私も乗り換えのため、そこで降りる。

その時に、声をかけてメアドを聞こう!

これが私の計画。


そう思っていたら……終点だ。

あっ、ドラゴンボーイが先に行っちゃう。

もみくちゃにされながら、

いつも一緒に学校に行っていて、ドランゴンボーイとのことも知っている、親友の木下歩実(きのしたあゆみ)と杉本紗愛来(すぎもとさあら)に「先に行ってて!」と告げ、

ドラゴンボーイを追いかけた。

(すぅー、はぁー)

深呼吸して、

「…あの、すいません。」

私がそう言うと、ドラゴンボーイは振り返った。

「……」

「私、〇〇高校2年の櫻井穂乃梨といいます。もし、よろしかったら、メールアドレスを教えていただけませんか?」

そう言うと、

「……」

ドラゴンボーイは、黙ったまま……

やっぱ、教えてもらえないよね~
はぁ~(泣)

「教えていただけないですよね……ひきとめたりして、すいませんでした。」

そう言うと、私は辛くてその場から走って逃げてしまった。

失恋した気分……
仕方ないよね…。
気分入れ替えて、学校に行こう…
なんて思ってても、無理だよね

でも、家に帰っても、辛いだけだし、
今日の1限は体育だから、気分転換、気分転換。

それに、歩実たちに報告しないとねっ(泣)


こうして、私の決戦は敗北に終わった。