(穂乃梨side)


お母さんは驚いたようにいった。

「穂乃梨、あなたもしかして覚えてないの?」

「…うん」

さっきまで笑顔だった謎の人物

けど、私とお母さんの会話を聞いてから、笑顔が消えてた

私なんか悪いこといったかな?

考えていると…

「ごめんね…龍くん。」

「…ぃぇ」

今にも途切れてしまいそうな声で謎の人物がいった。

龍くん?

「お母さん、今なんていった?」



(龍星side)


俺のこと完全に忘れてる…

「ごめんね…龍くん。」

穂乃梨のお母さんにいわれた。

俺はショックすぎて、今にも消えそうな声で返事を返した。

「…ぃぇ」


「お母さん、今なんていった?」

「ごめんね…」

「違うよ~、そのあと!」

「龍くん、っていったけど?」

穂乃梨は何かを思い出そうとしているようだった。


あぁー、俺穂乃梨に忘れられてどうやって生きていけばいいんだろう…


穂乃梨が心配だけど…

ここにいるのはもう耐えらんない。

どんどん自分が惨めに思えてくる…


「……あの、もう帰ります…」

「ごめんね…
来てくれてありがとう。
また来てね!」

「…ぃぇ。
……はぃ」


そういって病室を出た。