ドラゴンボーイと私。(仮)

≪ただいま、おかけになった電話は、現在電波の届かないところにあるか…≫

♪~

ケータイが鳴った。

この音は、穂乃梨だ。

「もしもし、穂乃梨?」

「……」

「穂乃梨?」

「…龍くん?」

穂乃梨のお母さんからだった。

「そーですけど、何かあったんですか?」

「…っ」

泣いている声が聞こえる。

「お母さん?」

「穂乃梨が、穂乃梨が」

今度は穂乃梨のお父さんだった。

「穂乃梨がどうしたんですか?」

「龍くん、一緒じゃなかったのか?」

「…はい。で、穂乃梨がどうしたんですか?」

「今、母さんと2人で病院にいる。救急車で穂乃梨が運ばれたんだ。」

「……どこの病院ですか?今すぐ行きます。」

「総合病院だ。」

「分かりました。今行きます。」

穂乃梨、穂乃梨。

生きててくれよ。

乃流とキスしたのは何か理由があったはずだ。

あの時、穂乃梨と一緒にいれば…

こんなことにはならなかった。

ごめん。別れようなんて言って。


総合病院に着いた。

はぁー、はぁー

「穂乃梨は、穂乃梨は?」

「今、穂乃梨は…っ…」

「龍くん、何があったんだい?」

「俺もよくわからないんです。でも、こんなことになったのは、俺のせいです。すいません。」

「なんで、龍くんのせいなんだ?理由を話してくれ!」