ピ――――――ッッ
「おーい、そろそろ練習再開するぞーっ!!」
皆の騒ぎ声を掻き消すように、バスケ部の顧問の声と笛の音が響き渡ってくる。
それを合図とするように、私の周囲に居た部員達は体育感へと足を向けた。
とゆうことは、隆也君も行ってしまうのか…。
もう少し話したかったような、これで良かったような…。
「永愛。」
「え、はい…?」
もう話せないと思っていたのに、隆也君は戻る前にもう一度だけ私に声をかけてくれた。
「さっきの言葉本当だから。」
「―――――っっ。」
「答えは、また今度でいい。」
「………はい。」
「でも、一つだけ直ぐに返事聞かせて。」
「…何ですか?」
「クッキーのお礼に、今度の休日二人でどこかに行きませんか。」
え、それって……。
「はは、お礼とか言って、本当は俺が永愛とデートがしたいだけなんだけどな。」

