平凡太~ヘイボンタ~の恋

「待って。ボクに先に言わせてください」


「…うん」


「ボクは『友詞』じゃなく、一華先輩の夫になりたいです」


「平太…くん…?」


「ボクは代理じゃなく、詞音ちゃんの本当のパパになりたいです」


「…っ…っ…!」


「ボクは一華先輩…一華と詞音を。愛しています」


「平太くん…!」


想いの強さに負けぬよう、一華を強く抱き締めた。


「あたしも…!平太くんが、好き…!」


やっと繋がった言葉。


やっと重なった、愛。


一華の涙を拭って。


ボクは強く激しく一華の唇を求める。


「…ん…」


唇を味わい、首を這って胸にキスを落として。


ボクは『友詞』ではなく『ボク』として…。