「ボク、一華先輩の事が好きでした」
「うん…。わかってた。だからあたし、友詞の代わりに平太くんを利用したの。抱いて、って頼んだのは、あたしのズルさ、だったんだ」
「ボクは『友詞』として、代理としてでいい、一華先輩の傍にいたかった」
「それは同情だよ、ね…」
「最初はそうだったかもしれない。父親のいない詞音ちゃんが不憫だったし、『友詞』似のボクを求めてくれる一華先輩に影を見せたくて。『友詞』の影でいたくて」
「うん…」
「でも一華先輩、友詞さんのお墓の前でお別れしましたよね?あの時以来、ボクは、あぁ、もう影はいらなくなったんだな、って。そう思うと嬉しくもあり、寂しくもあった」
「え…?」
「友詞の呪縛から解かれた嬉しさと、影を必要としない寂しさ、です」
「うん…」
「影にしがみつくばかりでボクはボクがわからなくなってて。ボクとして一華先輩を想っていいのか、とか。影じゃないボクは必要ないんじゃないか、とか。お見合いの話を聞いて、やっぱり…ボクはいらないんだ、と」
「うん…。わかってた。だからあたし、友詞の代わりに平太くんを利用したの。抱いて、って頼んだのは、あたしのズルさ、だったんだ」
「ボクは『友詞』として、代理としてでいい、一華先輩の傍にいたかった」
「それは同情だよ、ね…」
「最初はそうだったかもしれない。父親のいない詞音ちゃんが不憫だったし、『友詞』似のボクを求めてくれる一華先輩に影を見せたくて。『友詞』の影でいたくて」
「うん…」
「でも一華先輩、友詞さんのお墓の前でお別れしましたよね?あの時以来、ボクは、あぁ、もう影はいらなくなったんだな、って。そう思うと嬉しくもあり、寂しくもあった」
「え…?」
「友詞の呪縛から解かれた嬉しさと、影を必要としない寂しさ、です」
「うん…」
「影にしがみつくばかりでボクはボクがわからなくなってて。ボクとして一華先輩を想っていいのか、とか。影じゃないボクは必要ないんじゃないか、とか。お見合いの話を聞いて、やっぱり…ボクはいらないんだ、と」


