平凡太~ヘイボンタ~の恋

「あ、あの!お見合いの相手の方は…?」


「一度きり会って、すぐにお断りしてしまったんです。今思うと『あなた』がいたからなんです、ね?」


そんな…。


ボクはてっきり別の人と…。


一華先輩と詞音ちゃんは別の人に愛されて幸せになったんだとばかり…。


「佐藤さんにはこの子達は重いですか?」


「…ハイ。重いです。重い分、尊いです。ボク…」


「え?」


「行かなきゃ」


「ママにごめんねするの?泣いちゃったから、ヨシヨシするのー?」


「あぁ、そうだよ、詞音。平太パパは…パパは“3人の幸せ”が欲しいんだ」


「しあわせって、ココアよりおいしいの?」


「うん。きっと、ね。あの、お義母さん」


「はい」


「詞音をお願いできますか?」


「えぇ。詞音は今晩、家で預かります」


「すいません、お願いします」


頭を下げて、詞音に、


「また明日な?」


と言って、喫茶店を出た。