「この子、わたし達の前では、めったな事じゃ泣かないんです。一華ちゃんが仕事に行っても、風邪をひいても我慢して堪えて…。そんな詞音が気持ちを爆発させたかのようにへーたパパ、へーたパパって泣くものですから…不憫でつい、感情に任せてこの子に平太パパに会わせてあげたいと思ってしまって」
「へーたパパ、ウソつきなんだもん。ママが泣かない指切りしたのに、ママ、泣いちゃったんだからっ!」
「一華先輩、が…?」
「昨夜、この子が寝てから話を聞いたんです。佐藤さんの話でした。一華ちゃん、泣いて…それをこの子が見てしまったものですから…」
「ボクの…話?」
「“あたしは失うばかりだ”って。勇気を出せないばっかりに、詞音まで傷つけてしまった、と。あなた───佐藤さんの話をしてくれました」
失うばかり…?
勇気…?
「へーたパパ、ウソつきなんだもん。ママが泣かない指切りしたのに、ママ、泣いちゃったんだからっ!」
「一華先輩、が…?」
「昨夜、この子が寝てから話を聞いたんです。佐藤さんの話でした。一華ちゃん、泣いて…それをこの子が見てしまったものですから…」
「ボクの…話?」
「“あたしは失うばかりだ”って。勇気を出せないばっかりに、詞音まで傷つけてしまった、と。あなた───佐藤さんの話をしてくれました」
失うばかり…?
勇気…?


