平凡太~ヘイボンタ~の恋

なぜ人は。


誰も傷つけずに幸せを得る事ができないんだろう。


宍戸係長は栞を傷つけた。


ボクは詞音ちゃんを傷つけた。


行き違う想いと交差する愛。


この愛が。


傷を癒せる日は来るの…かな…。


会議室に戻ると、宍戸係長も戻っていた。


「佐藤、ケータイ、サンキュ」


「栞とは…話せました?」


「すまなかった、と。1人で背負わせて悪かったって言えたよ」


「そうですか」


「今週末、名古屋へ行ってくる」


「それって…?」


「辻野と子供とちゃんと向き合いたいから」


「良かったです」


「オレ自身は受け入れてもらえないだろうけど、子供の事はちゃんとしたい。認知させてくれるよう、頼んでみるつもりだ」


「栞の事」


「ん?」


「お願いします」


「フった男がフられた男に世話やくなよ?」


「そうです、ね」


栞のお腹の子に。


詞音ちゃんが重なった。