やさしい手を僕に下さい

 腕の痛みが僕を襲う

「腕が…母さん

腕が痛い…」

母は僕の左手を握りしめた。

「違う右の腕が痛いんだ。」

父が言った。

「孝、事故で右手を

切断したんだ…

もう お前の右の腕はない…」

ない…

・・・・・・・・・

ない…

僕の腕がない!!

母は声を出して泣いた。