振り返れば、そこには……田代先生が。
そして、先生の隣には、たぶん婚約者と思われる男の人。
「美緒?」
「ぁ、真さん、生徒なです」
「あぁ……もしかして、君が萩野燈真くんか?
美緒からよく話を聞いてる。イトコなんだろ? よく保健室でサボってるようだなっ」
「……どーも」
燈真……?
そんな素っ気ないあいさつ……するような奴じゃないじゃん、あんた。
「……デート中だった?」
「別に。これ、結婚祝い」
「……ありがとうっ!!」
田代先生が満面の笑みを見せた瞬間、燈真は優しく笑った。
……あ。
この顔、知ってる……。
『昔から動物系が好きなんだよ。とくにちっこい動物が』