「最悪……」 なにこんなときまで喧嘩してんの、あたし。 はぁ、と小さくため息をつきながら足をブラブラと動かす。 「……痛いし」 小指のところが両足靴擦れ状態。 遊園地まで結構距離あるし……。 遊園地じゃずっと歩きっぱなし。 ……どうしよう。 涙目になりそうに鳴った瞬間、頭にコツンと小さな痛みがはしった。 顔をあげると、無表情な燈真の姿。 「……か、買えたの?」 「小学生じゃあるまいし。ちゃんと買えました」 「へ、へぇ……」 き、気まずい……。 『さっきごめんね』 そう言いたいのに。