「ぁ、これ可愛いよ?」
「……」
「なによ」
「ペンギン、可愛いか?」
「う、うっさい!」
こいつ、絶対ガキだって思った!!
軽く笑ったしっ!!
「……こっちだな」
「……ひよこ?」
「昔から動物系が好きなんだよ。とくにちっこい動物が」
「ふぅん」
燈真は優しい顔でそのマグカップを二つ手にとった。
チクン。
なんか……胸が、痛い。
なにこれ……。
「ぁ、お前さ、そこの椅子で休んでろ」
「え?」
「歩くペース違うし。もう買うだけだから」
「なっ!!」
せっかくつき合ってあげたのに、それはなくないっ?!
「あーはいはい!! あたしは邪魔ですよーだ!!!」
あたしはズカズカと、出口付近にあるベンチまで歩いた。

