「寄りたいとこ、あんだけど」
「いいけど、どこ?」
「ここ」
燈真が指したのは、ホームセンター。
「何買うの?」
「結婚祝い」
「……田代先生に?」
「そ。んで、何買ったらいいかわかんねーし、ちょうどお前と一緒だからさ。教えてもらおーと思って」
「……いいけど。まぁ、普通は生活品とか?」
「そんな金ねー」
「……マグカップ」
「は?」
「お揃いのマグカップは? 女の子ってお揃いのもの好きだし」
燈真は少し間が空いてから、「それにすっか」と呟いて食器売り場に向かった。
……少し、やばい、かも。
足なんか痛いし……。
靴擦れしちゃったかなぁ。

