燈真は「はぁ」とため息をついて、ゆっくりと起き上がった。


「結局、何が言いたいんですか」

「……ありがとう。助けてくれて」

「それ、聞いた」

「……ごめん、なさい」

「……」

「ご飯先に勝手に食べたりとか、すごい感じ悪かったし……ごめん」

「……何気傷つくんだよ、それ」

「うん、ごめん」

「わかったならいいよ」

燈真はそっぽを向きながら、優しくあたしの頭を撫でる。


「……一度しか言わねーから」

「え?」




「悪かったな、怖がらせて」





小さな声でそう言って、燈真は「飯作る」と立ち上がって行ってしまった。