あたしは全力疾走で家に帰った。

「ほんっと……あたしバカっ」



なんで……


いつも、気づけないんだろう。



家に着いたとたん、リビングへと駆け込んだ。

ソファに座ってる燈真に飛びついた。


「いってー……。おい、何のイヤガラセだよ」


あたしは燈真の上に股がる体制で、胸蔵を掴んだ。

……気づいたら、目に涙をためてて。


「あんたって、超不器用っ!!!」

「……はぁ?」


ほんとに……不器用すぎるよ、あんた。


「ほとんど喋んないし、顔に表情出さないし」

「あのさ……」



「だから、気づきにくいんだよっ!!


……あんたの、優しさに……ッ」




溜まっていた涙が、ボロボロと燈真の顔にこぼれ落ちていく。