翌日、学校で真梨子に校舎裏に行かなかったことを伝えた。

真梨子は目をまん丸にして、驚いた。

「へぇ……行くかと思ったけど」

「いや、行こうと思ってたんだけど……」

『俺が欲しいのは、結婚式の招待状なんかじゃねーんだよ』

なんとなく……あの言葉が、気になって。

「桜木ー」

声がした方を見ると、水嶋がニッと笑いかけてきた。

「ん?」

「古典、テストどうだったんだよ」

「どうもこうも……いつもどーり」

「ははっ!」

「ごめんね、せっかく教えてくれたのに……」

「いいって。熱、下がったみたいだし。よかったじゃんっ!」

うわぁ、優しい。

絶対、この優しさがモテる理由だよ。