「あら、起きたの?」
「ん」
「午後はちゃんと出なさいよ」
「……あぁ」
……あれれ?
なーんかこの2人……仲よさげ??
「そうだ。これ、渡しとくわ」
田代先生は、燈真に一枚の封筒を渡した。
「よろしくね」
「……ん」
燈真は不服そうな顔で受け取って、何も言わず保健室を出て行った。
「田代先生、何渡したんですか?」
「……桜木さんは今、萩野くんと一緒に暮らしてるんだっけ」
「え、えっとぉ……」
「萩野くんから聞いたわ。別に他の人に言わないから、安心して」
「……はい」
田代先生は、クスッと笑って、少し恥ずかしそうに言った。
「私ね、結婚するの」
「……ぇえっ?!」
「その結婚式の招待状。萩野くんとは、イトコでね」
「へぇ……おめでとうございますっ!」
「ありがとう。……桜木さん、あの子を、よろしくね」
「? はい……」
あたしは授業が始まるので、保健室から出た。

