「あの、もう平気だから勉強していいよ?」
「勉強なんてする気分じゃねーし。プリン、あるけど食べるか?」
「……」
「なに口空けてんだよ」
「……ねぇ、大丈夫? あんたも熱あるんじゃない?」
「ぁあん??」
萩野の額に手を当てるけど、平熱だ。
でも……
「あんたが、優しい……」
「あのなぁ……。
病人には無条件に優しいもんだと思うけど?」
「……ぁ、そう……」
「んだよ」
「いや、ううん、なんでもない」
「それよりプリン、どうすんの? いらねーんなら、俺食うけど」
「ぁ、じゃあ……もらおう、かな」
「りょーかい」
萩野は立ちあがって、プリンを取りに、部屋を出て行った。