「えっと……これは、ここが係り結びになってて」
「……あぁっ!」
「相変わらず飲み込みは、はえーなっ」
「水嶋は頭よくなったよねー。前はあたしより下だったのに」
「それ、中学の話だろ?」
「まぁ、そうだけど。……でも、水嶋ってどうして吉高にしたの? そんな学力なかったじゃん」
「お前かなり失礼なこと言ってんな……。理由ねー……」
「あたしは家から15分だし。水嶋は電車も使うんでしょ? 引っ越したって聞いたし」
「まぁな」
「……ぁ、わかった! 好きな人と一緒なんでしょっ!」
「……」
「図星でしょ〜。そっかぁ、ちょっと残念だなぁ」
「……なんで?」
「え? だって、水嶋に先越されるとか、悔しいじゃん」
「……ふはっ。お前ってほんと、そういう奴だよ」
「いや……わからんって」
水嶋は、「次の問題するか」と、少し寂しそうに笑って言った。

