……とは言っても、やっぱショックなもんはショックだよね。
ずっと微妙な気分のまま、放課後を迎えた。
「莉乃ー、今日も古典教えてもらうの?」
「ぁーどうしよ……」
「桜木、俺今日部活ないけど」
水嶋はニッと笑って言った。
「ほんとっ?! お願いしていいっ?!」
「おー」
「っしゃぁっ!! じゃあ、図書室行こー!」
あたしは鞄を持って、急いで図書室へと走った。
水嶋は「元気な奴っ」と苦笑いして、鞄を持ってあたしの後ろを歩く。
図書室でこの前の位置に座って、古典の教科書を広げた。
「家でわかんないとこあってさぁ、教えて〜」
「おぅ。ってか、家でちゃんと勉強してんだなっ」
「だって、二週間毎日30分肩もみなんて絶対嫌だもん」
「なんだそれっ」
「ぁ、ここっ! ここ教えてっ!」
あたしは、教科書を広げて、水嶋の目の前に出した。

