学校に着けば、あたしの席の後ろであたしの親友が手を振っている。
あたしも手を振って、自分の席に座った。
「おはよ」
「おはよ……」
「随分機嫌悪いね」
「まぁね……」
あたし、桜木 莉乃(サクラギ リノ)。
高校二年生です。
そんで、あたしの後ろの席の子が
只野真梨子(タダノ マリコ)。
あたしの親友。
いろいろ相談とか乗ってもらって、
なんやかんだで、小学校からの付き合いだ。
「実は親が一ヶ月の旅行に行ってしまいまして……」
「あらら。さすが莉乃のお母さんだね……」
「はぁ。しかも、知らない人と一緒。その一緒にいった友達の子供がくるんだって」
「へぇ、いくつ?」
「知らない。なにも書かれてなかった」
しかも……お母さん、携帯忘れて行ったし。
ほんと、ドジ過ぎだって。

