外を見れば、土砂降りの雨。 はぁぁぁあ。 これじゃ、走って帰れないし……。 そんなことを思いながらため息をついていると、コロンと、目の前に何かが転がってきた。 「これ……」 あたしの、傘……。 傘はもう、ぼろぼろになっていて、所々切られていて、傘として使える状態ではなかった。 「……ばかばかしい」 状態からして、誰かにやられたのは間違いない。 でも、やりかえさないし、何も言わない。 めんどくさい。