「萩野くん」
「あ? ……んだよ」
こいつ……嫌な顔したと思ったら、さらに嫌な顔しやがった。
「これ、お母さんがもってきてくれたよ?
あたしの担任があなたに渡してって」
「……どーも」
「それにしても……萩野くんって、すっごい女の子に人気があるんだね。萩野くん、幸せ者だね〜」
嫌みを言ってやれば、ギロリと睨まれる。
それとは正反対に、女の子達は嬉しそうで。
……あれ??
「それだけ?」
「ぁ、うん……じゃあ」
あれれー?
「は? んなわけねーじゃん。気分最悪だっつの」
ってぐらい、言い返してくると思ったんだけどな……。

