【完】年下男子と1つ屋根の下






「ねえ、燈真、今」

「とりあえず名前は覚えときたくて、持って帰って来たんだよ。あの高校に入ろうと考えたのは、あの人が吉沢高校の保健の先生してるって聞いたから。決めたのは、


お前にもう一度会いたかったから」



開いた口が塞がらないってのは、こういうことを言うんだろう。



「まぁ、学年が違うからあんま会えなかったけど。だから、お前の家で同棲することになったのは、かなりビビった。自己紹介されて、あの時の名前で……嬉しかったよ」

「……熱、とかある?」

そう言うと、燈真はあからさま睨んできた。

頬をピンク色に染めながら。

「けど、性格がかなり顔と一致してなかったからな」

「……うっさい」

「想像と一致してたのは1つだけ。かなりの寂しがり屋なとこ」

燈真はあたしの頬を優しく撫でる。

「ぶっちゃけ、あん時はあの人でいっぱいで、お前を好きじゃなかった。それでも、お前が心配になったり、話したら結構楽しいし。……まぁ、好きだったんじゃね」

「……あのさ、」

「一年前から俺は、お前に惚れてんだよバァカ」

燈真はフッと少し頬を赤く染めて笑って、あたしの頬を軽くつねる。

燈真の言葉に、


あたしの瞳から涙が溢れ出した。