「お前ってさ、あれだろ」
「なに」
「究極のバカだよな」
「……喧嘩売ってんの?」
なに、話しかけて来たらと思ったらそれ??
「先に売って来たのは、どっちだっつの」
そう言って、あたしの額にデコピンをする。
あたしの前にしゃがんだかと思えば、前髪をクシャッとかきあげた。
「……寂しいもんだな」
「え……?」
「たった一ヶ月一緒にいただけで、いざ離れると、寂しくなるんだな」
寂しい、の?
あんたも??
「正直さ、お前が俺を好きになるなんて微塵も思わなかった。最初が最初だけに。知ったのは……お前が、校舎裏に呼び出しされた時」
「え、ちょっ、聞いてたのっ?!」
「……まぁ」
「盗み聞きとか、最低」
「……やっぱお前バカだわ」
「はぁっ??」
「まぁ、いいや。聞いててこっちまで恥ずかしくなったし。あんな直球の告白、他人に言うか、普通」
「……その言い方、あたしが普通じゃないみたい」
「普通じゃねーだろ」
イラッ。
話せたと思ったら、全然変わってなんかしない。

