萩野は「はぁ」とため息をついて、こちらに歩いてくる。 殴られるかな。 なんて覚悟してたけど、振ってきたのは優しくあたしの頭を撫でる大きな手。 「悪かった」 そう言って、風呂場へと行ってしまった。 ……なんなの、ほんと。 訳の分かんない奴。 だけど、 悔しいけど、 悪い奴じゃないのかもしれない。 すごい、ムカつくけど。