「ふぁ〜…眠ぃ」
暖かい春の日差し、はらはらと桜の花弁が舞い落ちる4月。僕、東条愁(とうじょう しゅう)は高校二年生になった。
『第…回入学式を────』
「何で入学式に二年生まで出席なわけ」
「まあ、いーじゃん。新入生に可愛い子居ないかな〜?」
呑気に可愛い子を探しているのは、一応友達の中島祐(なかじま ゆう)。一言で言うと、チャラい。
長ったらしい金髪の髪をいつも盛ってる。これでもか!というくらい。それとは対照的に僕は、生まれて今まで一度も色を入れたことのない黒い髪。
「つーか、愁は女子に興味無さすぎ」
「…別に、興味無いっていうか、」
「あ、苦手なのか!」
そう言いぎゃはぎゃはと笑う祐。静かに!と先生に怒られても反省してない様子。
…つーか涙流すまで笑うなよ。
「お前モテるのにもったいない!…ま、いいんじゃね?」
高二にしちゃ、珍しいけどな〜。と言いながら涙を拭う祐。
そんな事笑いをこらえて言われても、説得力ないんだけど。第一、僕には女子が苦手になった理由がちゃんとあるのに。