「だってめっちゃキレイじゃん!!」 「はいはい、小夜ちゃんには桜がとってもお似合いよー」 「そういうことじゃなくてー … っ」 私が言えば言うほど 奈々は笑って私をからかう。 「それよりほら、早く学校行かないと遅刻するよッ」 奈々は思い出したように 私の手をとって 歩き出した。 「う、うん…!」 あの桜をもう少し見ておきたい気もしたが、 仕方なく私は奈々に 手を引かれるがままに 歩き出した。