俺の思い過ごしかもしれない。
勝手な勘違いかもしれない。
でも、 あの表情がずっと心に引っ掛かる。
そして、
こんなに悩む自分が自分でもわからない。
本当に、
ただの勘違いだったら
俺こそあほだ。
小さなため息をついて
ふと前を見ると、
いつのまにかたどり着いていたトイレの中から一人の女子生徒が出てきた。
「 あ、 」
その姿を見て思わず声を出す。
それに気付いた相手もこちらを見て、同じように
「 あ、 」
と声を出した。
「 何してんの 」
「 何してんのって…、
今からトイレ行きたいだけや 」
…はたしてこの会話に意味があるのかないのか。
きっと何も考えていないんだろう。
この女子生徒が
さっき屋上で川谷と一緒にいた女子だとすぐに気が付いた。
名前は…、 確か " ナナ " 。
川谷がそう呼んでいた気がする。
