桜花火



佐伯君に続くように奈々も立ち上がり
さっさと出口へ向かいはじめる。

「 えっ、ちょっ、私も行く!」

私は慌てて奈々を呼び止めようと叫ぶ。


しかし奈々は

「 あんたがいるとめんどくさいからー 」と


後ろを向いたまま片手を振りながら
屋上を出て行った。



「 はっ!? な、ちょ意味わかんないんですけど奈々さんっ、
 てかいつ本なんか借りた…、ったく 」



私は小さなため息をつき後ろを振り返ると
むすっとした顔のままの(怒ってはないんだろうけど)
上原君がこっちを見た。