桜花火


「な、何? びっくりしたぁー…」

「聞いた話なんだけどね…」

「うん」


奈々はすごく楽しそうに話を続けた。


「あたしらのクラスに、ものすごいイケメンがいるらしいよ!」

「なにソレ? てか情報うすっ!」

「さっき廊下で女子達が話してた! 名前は…、なんだっけ、えっと…、
あ! 思い出した! さえき! 佐伯 哉太っていう人!」

「さえき かなた…?」


なんか名前からしてイケメンじゃない?

キレイな名前だと思う。


「なんかラッキーじゃんね、そんなイケメンと同クラなんて~」

奈々は笑って私を見る。

「そうかもねー」


 私はどんな人なのかすごく気になって、頭の中でいろんな顔を想像した。


まぁ、教室でのお楽しみってことで。