第三章 お葬式にて

あれは五月の陽気が一杯の朝だったと思う

おきてからは何も覚えていないがいつの間にか

電車に乗っていたんでしょう、そして降りたのも。

彼女の家に行くには京王線南平の駅改札口を出て

歩いて4~5分の高台にありかなり立派な家だったが、

今はそれどころじゃなくともかく重い足を進めるのが

精一杯でした。

あのお葬式の時の指のマークに案内されながら着いた

先があなたの家でした。

当然今まで何度となくあなたの家の近くまでは何度も

来てはいたんですが、家の敷地内に入るのは何故か

初めてのことでした。

彼女の家は昔ながらの家で、今と違い自分の家で全て

行う事が出来る大きな家です。