だってもう、何十年も経っての物語を!そう携帯電話もなくあ

の寒い駅で震えながらプラットホームの片隅で来ない貴方を

11時間も待ちつづけた想いで、彼女との想いでは楽しいもの

ばかりではありませんでした。

嫉妬の思いに駆られたようなこともあったと思います。

きっとご家族の方はもっと悲しく、辛く、空虚な時間を過ごさ

れたんでしょうがここにも一人忘れずにいるんだと声を限りに

叫びたいです。「私は貴方の笑顔を忘れていません」と。

決して大人の愛ではなかったと思います、子供のような、

そうおもちゃのようなガラスのような青春時代の一ページ

二人で行ったお正月の初詣、二人で歩いた川沿いの寒かった道、

話なんか何一つも覚えてはいない気がします。

でもあの時本当に幸せを感じていました、そしてその時私の中

ではどんな冬の寒さも、雨の痛さも、雪の辛さも、夏の暑さも

幸せでした。

そう貴方がいたからどんなこともあの10キロの道も歩けたん

でしょうね。