入学式も終わり、新入生がぞろぞろと退場していく。 初めて会って意気投合して話ながら歩く同級生達の中で、翼は独り無言で歩いていた。 「…ねぇ」 ……… 「ねぇってば!!」 自分を呼んでいるのか、分からないまま翼は後ろを振り返った。 「あ~良かった。無視されてるかと思ったよ。あ、私さ上原美鈴(ウエハラミスズ)よろしくね!!」 「…よろしく」 翼がそれだけ言うと、美鈴は満足そうに微笑んだ。