「…桜井、海翔」 彼を見た時、久しぶりに光が見えた。 随分と忘れていた、"嬉しい"という感情を一瞬感じた気がする。 気のせいだろうか… 周りは全てモノクロのままだったのに、彼だけに色がついて見えた。 金色の髪も、着ていた洋服も、彼の笑顔も… 彼だけが色のある世界にいる。 こんなの初めてで、戸惑う自分がいて… そんな戸惑う自分に更に、戸惑った。